コラム

心理専門職の仕事(4)アセスメント part4-1

  • コラム
  • 2019/12/30

心理専門職には、いくつか代表的な仕事があり、そのうちの1つがアセスメントです。
 
心理学に関する知識や技術を活かして社会で活動する人のことを、心理専門職とよびます。

基本的には大学の心理学科を卒業し、大学院に入学して修士課程・博士課程を修了した方々が心理専門職として活躍していることが多いです(※学部卒業で活躍している方もいます)。

大学の学部では基本的な知識である基礎心理学や心理統計学に加えて、心理学研究法、心理学実験法、心理検査学などについて学び、3年・4年時にゼミに入ります。

ゼミでは、指導教官となる教授から研究指導を受けながら、卒業論文を書くための実験や調査を実施します。

その後、大学院に入学した場合は、より専門的な内容を学び、さらに高度な内容の修士論文を書くために実験や調査を行います。

このような過程を経て、心理学の専門家としての育成が進んでいきます。

2015年に企業における従業員のストレスチェックが義務化されたことを受けて、ストレスの測定・評価という業務が心理専門職の重要な仕事の1つとしてクローズアップされています。

また、より緻密でより具体的な測定・評価の必要性も高まっています。

たとえば、仕事のストレスという言葉で一括りにしてしまったとしても、そこにはデスクワークもあれば、会議への出席、営業先でのプレゼンテーションなど様々な種類の業務があり、それぞれ異なるストレスの程度があると考えられます。

これらのストレスを質問紙形式の心理検査でチェックするのは非常に難しいです。

なぜなら、毎回仕事の内容ごとにストレスに関する心理検査を実施するとなると、とても手間がかかる上に、同じ質問紙を日に何度も実施していては、対象者も内容を覚えてしまうでしょう。

そこで日常的に対象者に負担をかけずにストレスに関するデータを収集・分析し、それを時間別・行動別に分かり易くまとめることが必要になってきます。

このようなニーズに応えることができる知見・技術として、ウェアラブル・デバイスによる心拍変動解析があります。

ウェアラブル・デバイスとは、いわゆるApple watchのように身に着けて脈拍や血圧、消費エネルギーなどを計測できる装置のことです。

最近では、超小型・超軽量のウェアラブル心拍センサーや眼鏡型で眼球運動を測定するものなどが開発・普及しています。

ウェアラブル・デバイスは全世界で2億2,390万台、日本国内では1,310万台が使用され、国内の普及は2012年~2017年までの6年間で約240倍となっています(総務省:平成27年版情報通信白書)。

多機能な上に多くの機器の価格が1~数万円程度と安価なこと、労働安全衛生法の改正(ストレスチェック制度)も追い風となり、個人ユーザーに加えヘルスケア産業や企業の健康管理など利用者はさらに増えると推測されています。

その中でも特にウェアラブル心拍センサーによる心拍変動解析は注目を集めています。

part4-1では、メンタルヘルス分野において実験・調査が実施されている例をご紹介します。