コラム

少し変わった視点から心理学を考える Part7-1

2020.6.13

心理学の研究は一風変わった側面から物事を捉え、面白い結論を導き出しているものがあります。

心理学に関する研究は、私たち人間の“滑稽さ”や“上手く行かない歯がゆさ”についても、様々な角度から教えてくれます。

<呪いの心理的効果>

実際には呪いというものは存在しませんが、儀式的な行動によって、特定の対象を“呪った”ということが様々な影響を及ぼすことが判明しています。

リサ・キーピングらによる研究では、企業の従業員がハイチに伝わるブードゥー教の呪いの人形を使った儀式が取り上げられています。

従業員は自身の上司に報復する目的で呪いの人形と工具のペンチを使った呪いの儀式を実行しました。

この実験では条件として、呪いの人形による復習を実行した群と実行しなかった群の2つのグループを設定しました。

その結果、復讐をした従業員はそうでない従業員よりもポジティブな気分になり、自分自身の正当性を強く感じるということが判明しました。

これは、呪いが成功したということではありません。
なぜなら、上司側には何も起きておらず、もっと言えば、上司は自分が呪いをかけられていることも知らないからです。

ただ“呪った側”は自身の行動から心理的な影響を受けることになり、それが“呪い”というネガティブなものであるにもかかわらず、ポジティブな要素を含むものだったということなのです。

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この記事を執筆・編集したのはこころ検定おもしろコラム編集部
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