コラム

対面カウンセリングとオンライン・カウンセリング そもそも、誰に相談するのが良いのか? Part2

2020.8.11

新型コロナウィルスの影響もあり、現在、オンラインでのカウンセリングが急速に増えつつあります。前回に続き、今回は医師への相談と、心理カウンセラーへの相談がどのように違うのかについて、お話したいと思います。

医師に相談する

医師に悩みを相談するということは、基本的に病院などの医療機関に足を運ぶことになり、その「悩み」は医学的な見地から「何らかの病気およびその症状」という観点から対応されることになります。

そのため、悩んでいるくらいで病院に行くのは大袈裟だと考える人も多く、メンタル面の問題に関して医療機関を受診するハードルは非常に高いといえます。また、「5分診療」などのように短時間で終わってしまって、あまりしっかりと話を聞いてくれないという悪いイメージをお医者様に持っている方も多いかもしれません。

しかし、これには大きな誤解があります。法律上、病気の診断と薬の処方という2つの業務は医師免許を持つ医師にしかできない仕事です。そのため、医師は何よりも最優先でこの2つを実施しなければならない立場にあります。

1日に何十人もの患者に対応をすることを考えると、1人1人に30分や1時間などの長い時間を割いて話を聞くのは非常に困難です。
そこで、第一優先に「医師しかできないこと」である、診断や薬の処方を実施することに注力し、じっくり話を聞くのはカウンセラーなどの他職種の専門家に任せることが多いです。

もし、悩みを医師に相談したい場合、単に診断書や薬が欲しいのではなく、「しっかりと自分の話に耳を傾けて欲しい」というのであれば、その旨、必ず最初に医師に伝えることが重要です。医師からカウンセラーを紹介され、それ以降、医師による問診がなくなるケースもあります。

また、医師は診断と薬の処方のみ、カウンセラーがカウンセリングのみを担当するというアプローチが取られることもあります。医師とカウンセラーが分業して対応する場合は、専門家間で情報を共有されるので、悩みが改善すれば、薬の量を減らしたり、カウンセリングの頻度を減らしたりなど、適切な対応をとってもらえます。

新型コロナウィルスの影響もあり、オンライン診療を導入する医療機関も増え始めています。ただし、精神科・心療内科において、オンライン・カウンセリングを導入しているところは、まだそれほど多くはないのが現状です。

心理カウンセラーに相談する

精神科医と心理カウンセラーがどう違うのかが良く分からないという方も多いかと思われます。
前述のように、医師は医師免許を持っている人であり、精神科医や心療内科医などが該当します。
心理カウンセラーは医師免許を持っているのではなく、何らかのカウンセラー資格を取得している人であり、公認心理師や臨床心理士などが代表的な資格です。

前述のように「しっかりと悩みに耳を傾ける」のが、心理カウンセラーの仕事です。「悩み相談」というカテゴリーであれば、医師よりもカウンセラーに相談する方がマッチするケースも多いと考えられます。

ただし、カウンセラー資格というものは無数にあり、一般の方には区別がつかないものでもあります。資格によっては安易な過程で取得できてしまうものや、試験がないもの、数回の講習受講だけで取得できるものなど、様々なタイプがあります。

基本的に、学習体系が系統立てられ、期間をかけて勉強し、適切な技能評価の試験等をパスしなければ取得できない資格の方が習得できる知識・技術が高く、適切な悩み相談を実施してくれると考えられます。ただし、大学や大学院では「直接対面した状態で実施する相談・支援」のやり方は学ぶことができるものの、非対面のオンライン・カウンセリングのやり方を体系的に学ぶ機会は、あまりありません。

そのため、カウンセラー資格取得後に、個別にオンライン・カウンセリングに関する勉強をしていないと、効果的なサポートは難しいといえるでしょう。なお、こころ検定に関しては、メンタルケア心理士・メンタルケア心理専門士の資格を取得後、メールカウンセリング講座を受講することができます。

しっかりと対面のカウンセリングについて学んだ後、オンライン・カウンセリングについても学びたいという場合は、是非、メールカウンセリング講座を受講していただければと思います。

著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはこころ検定おもしろコラム編集部
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