コラム

ストレスとお金の関係 Part8-1

  • コラム
  • 2019/07/19

心理学の研究は一風変わった側面から物事を捉え、面白い結論を導き出しているものがあります。
 
心理学に関する研究は、私たち人間の“滑稽さ”や“上手く行かない歯がゆさ”についても、様々な角度から教えてくれます。
 
<ストレスとお金の関係> その1
 
心理学には経済心理学(行動経済学)という分野があり、人間の心理的な要素が利益と損失にどのような影響を及ぼすのかを検討しています。

そして、ストレスが私たちの意思決定や選択行動に大きな影響を及ぼし、その結果として、多大な損失をもたらすことが明らかになっています。

研究の結果、強いストレスに曝されると、私たちはよりリスクの高い方を選びがちになることが判明しています。

これは、狭い範囲で見れば、個人が経済的な損失を被るというレベルですが、株や証券などの取引では、国を巻き込むような、とてつもない巨額の損失が発生してしまうこともあります。

チリの有名な金融先物取引企業であるコデルコのトレーダーであるのジャン・パブロ・ダヴィラは、その専門性から幅広く、高額な取引をしていました。

ある日、ダヴィラはトレードで多額の損失を発生させてしまいました。

これが強いストレスとしてのしかかった結果、ダヴィラはリスクの高い意思決定をしています。

最初に発生した多額の損失を埋め合わせようとして、よりハイリスクな取引を行い続け、最終的にはチリの国民総生産の0.5%相当の天文学的な金額の損失を発生させてしまいました。

この事件を受けて、チリでは「物事を完全にヘマする・滅茶苦茶にする」という意味の新しい動詞として「ダヴィラる (davilar)」という造語が出来てしまいました。

アメリカのカリフォルニア州・オレンジ郡にあるベアリングス銀行のニック・リーソンとロバート・サイトロンは、自身の務める銀行で非常に複雑で入り組んだ金融派生商品を取り扱いはじめました。

2人がどの程度のストレスに曝されていたか明確ではないものの、2人ともギャンブル的な投資を繰り返してしまいました。

その結果、2人が発生させた損失によって、ベアリングス銀行とオレンジ郡が経済的に破綻してしまいました。

以上、事例を紹介しましたその2では事例について「ストレスとお金の関係」について考えていきます。