スポーツ新聞の日と心理学には、どのような関係があるのでしょうか
【目次】
・まとめ
日本では365日の全てに何らかの記念日が制定されています。3月6日は「スポーツ新聞の日」に制定されています。これは、1946年の3月6日に日刊スポーツ新聞社により日本初のスポーツ新聞『日刊スポーツ』が創刊したことが由来となっています。この日発行された1万5000部はあっという間に完売したとされており、終戦後の厳しい世情の中、スポーツや芸能の明るさや感動が庶民にとって心の栄養となっていたと考えられます。そして、2016年には、日本で最も読まれているスポーツ新聞として創刊70周年を迎えています。現在、日刊スポーツは全国各地の4社、日刊スポーツ新聞社(東京都)、日刊スポーツ新聞西日本(大阪府、愛知県、福岡県)、北海道日刊スポーツ新聞社(北海道)、沖縄タイムス社(沖縄県)から発行されています。
では、スポーツと心理学には、どのような関係があるのでしょうか。
心理学の応用分野として、体育心理学というものがあります。体育心理学は体育に関連する諸事象を心理学的な観点から研究する科学であり、身体運動を通して行われる体育事象の心理学的基礎を確立して,体育の学習や指導の科学化・能率化に有効な知見を提供する学問であると定義されています。体育心理学は教育心理学の応用分野として見なす場合もあります。ただし、学校教育においても、体育の運動が主として身体活動であること、体育における対人関係がかなり力動的(ダイナミック)であることなど、体育事象の独自性や特殊性から、体育における独自の原則や法則を究明する学問領域として、独立した分野として、体育心理学は位置づけられてます。体育心理学の主な研究領域には、身体運動の心理的特性、運動の生理心理学的基礎、運動と認知、運動学習と指導、身体運動とパーソナリティ、心理的適応、運動の社会心、心身の発達、測定・評価、臨床心理、競技の心理などがあります。最近では、体育における楽しさや動機づけの研究や運動学習の理論や指導法に関する研究などが認知論的あるいは情報処理論的な立場で行われています。
もう一つ、心理学の応用分野にはスポーツ心理学というものがあります。そもそも、スポーツとは、体力や健康の増進に貢献する手段としての価値だけでなく、活動する身体としての経験と関わる重要な本質的な価値、スポーツそのものに内在する価値を備えていとされています。スポーツ心理学は、このようなスポーツの構造と機能を心理学的に考究するものであると定義されています。スポーツの実践の基礎となる科学的研究の一面を担っているスポーツ心理学も研究領域の異なる研究者たちが相互に研究しあって、その研究水準を高めているものとなっています。従来はスポーツの心理として、スポーツの本質やスポーツに関する心理学的研究の範囲、スポーツの成績を支配する諸要因などについて研究が行われてきました。
なお、日本では1973年に日本スポーツ心理学会が設立されており、研究の分野も質量ともに、これをきっかけとして発展しています。日本スポーツ心理学会は既に設立から50年を迎えており、1000名近い正会員が所属をしています。また、日本スポーツ心理学会でスポーツメンタルトレーニング指導士という資格の運営をしています。この資格は競技力向上のための心理的スキルを中心にした指導や相談を行う学識と技能を有する専門家として、メンタルトレーニングによってスポーツ選手への心理サポートを提供する専門家であるという位置づけとなっています。スポーツメンタルトレーニング指導士は2000年に発足し、現在も資格取得者が増え続けています。
このように、スポーツについても、心理学的な観点から様々な研究や活動が実施されているのです。
この記事を執筆・編集したのはこころ検定おもしろコラム編集部 「おもしろコラム」は、心理学の能力を測る検定試験である「こころ検定」が運営するメディアです。心理学・メンタルケア・メンタルヘルスに興味がある、検定に興味がある、学んでみたい人のために、心理学を考えるうえで役立つ情報をお届けしています。