コラム

対面カウンセリングとオンライン・カウンセリング 対面と非対面の比較 Part2-2

2020.10.29

新型コロナウィルスの影響もあり、現在、オンラインでのカウンセリングが急速に増えつつあります。
パソコンやスマホで手軽に悩みを相談できるのは非常に便利なことであり、メンタルへルスの維持・向上にも貢献すると考えられます。
今回は、対面と非対面の違いについて、対面での相談先の特徴、非対面のメリット・デメリットについて解説したいと思います。
前回の続きとして、今回はカウンセリング・ルームおよびオンライン・カウンセリングのメリット・デメリットについてPart2-1に引き続き解説します。

オンライン・カウンセリング

現在、オンライン・カウンセリングのメイン・ツールはメールやLINEなどです。これらは非対面で活用できるツールであり、対面式の相談と異なり、どこかに移動して専門家に会う必要はありません。

そして、専門家側とスケジュールが合い、予約が完了しているのであれば、早朝の4時や深夜2時でも相談をすることが可能で、対面式と比べて、場所と時間に縛られないという特徴があります。さらに、対面と比較して、オンライン・カウンセリングの方が多少料金の相場が安いという点もメリットの1つです。

これは、対面と異なりカウンセリング・「ルーム」や相談「室」のような、場所・空間への設備投資がほとんどかからないことなどが関係しています。

一見、便利に思えるオンライン・カウンセリングにも、デメリットがあります。実は私たちのコミュニケーションの約6割が視線や表情、声のトーン、ボディーランゲージなどの非言語によるもので構成されています。

これらの非言語の情報は悩み相談において非常に重要な要素となりますが、メールやLINEでは一切それが分かりません。そして、この“分からない”という状態は、相談される側の専門家だけでなく、悩みを打ち明ける相談者側にも当てはまります。

相談する際に顔を見ながら話すことで安心感や説得力が生まれますが、メールやLINEではそれがありません。また、専門家側も対面の半分程度の情報量で相談者の状態を分析しなければならず、判断が難しくなります。

そのため、誤解や食い違いが生じやすく、特に最初のセッションでは、専門家も相談者も“探り探り”になってしまい、長い時間をかけた割には話が前に進んでいないというケースが多いです。また、専門家である医師やカウンセラーのほとんどが対面による相談支援の知識・技術はあるものの、オンライン・カウンセリング、特にメールやLINEによる相談の知識・技術を有していないのが現状です。

そのため、オンライン・カウンセリングを利用したくても、しっかりとした知識・技術を持つ専門家を見つけること、そういったレベルの高い専門家が対応してくれるサービスを探すことが難しいというデメリットがあります。

著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはこころ検定おもしろコラム編集部
「おもしろコラム」は、心理学の能力を測る検定試験である「こころ検定」が運営するメディアです。心理学・メンタルケア・メンタルヘルスに興味がある、検定に興味がある、学んでみたい人のために、心理学を考えるうえで役立つ情報をお届けしています。