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心理専門職の仕事(4)アセスメント その1

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  • 2019/09/27

心理専門職には、いくつか代表的な仕事があり、そのうちの1つがアセスメントです。
 
心理学に関する知識や技術を活かして社会で活動する人のことを、心理専門職とよびます。

基本的には大学の心理学科を卒業し、大学院に入学して修士課程・博士課程を修了した方々が心理専門職として活躍していることが多いです(※学部卒業で活躍している方もいます)。

大学の学部では基本的な知識である基礎心理学や心理統計学に加えて、心理学研究法、心理学実験法、心理検査学などについて学び、3年・4年時にゼミに入ります。ゼミでは、指導教官となる教授から研究指導を受けながら、卒業論文を書くための実験や調査を実施します。

その後、大学院に入学した場合は、より専門的な内容を学び、さらに高度な内容の修士論文を書くために実験や調査を行います。このような過程を経て、心理学の専門家としての育成が進んでいきます。
 
心理アセスメントは、簡単に言うと「情報収集」です。

当然ですが、カウンセラーとクライエントは初対面なので、お互いのことを何も知らないわけです。

カウンセラー側の個人情報を伝える必要性はあまりありませんが、クライエント側の情報をしっかりと把握しておかないと、効果的なカウンセリングができません。

そこで、心理アセスメントで実施されることが多いのが各種心理検査です。

ただし、情報収集は検査でしかできないわけではないので、厳密に言えば「心理アセスメント = 心理検査」ということではありません。

ですが、技術としての心理アセスメントは「心理検査のやり方」という内容で学ぶことが多いというもの事実です。

心理検査には実に様々な種類がありますが、代表的なものとして厚生労働省が医療保険の対象として指定しているものがあります。

皆さんがイメージとして頭に浮かびやすいのが、考え方や感情などに関する心理検査ではないでしょうか。

以下に、そういった心理検査のうち、代表的な医療保険の対象となっているものを挙げます(名称区分としては認知機能検査・その他の心理検査というものになります)。
 
操作が容易で、検査及び結果処理に概ね40分以上を要する
医療保険点数80点×10 = 800円×(自己負担割合)
認知機能検査
その他の心理検査 DSRS-C バールソン児童用抑うつ性尺度
HDS-R 長谷川式認知症スケール
MMSE-J 精神状態短時間検査 日本版
LSAS-J リーボヴイッツ社交不安尺度
CAS不安測定検査
SDSうつ性自己評価尺度
CES-Dうつ病(抑うつ状態)自己評価尺度
STAI状態・特性不安検査
POMS
TK式診断的新親子関係検査
CMI健康調査票
GHQ精神健康評価票
MAS 不安尺度
MEDE 多面的初期認知症判定検査
WHO QOL26
日本語版 COGNISTAT 認知機能検査
ブルドン抹消検査

操作が複雑で、検査及び結果処理に概ね1時間以上を要するもの。
医療保険点数280点×10 = 2800円×(自己負担割合)
認知機能検査
その他の心理検査 BVRT ベントン視覚記銘検査
内田クレペリン精神検査
三宅式記銘力検査
BGT ベンダーゲシュタルトテスト
WCST ウイスコンシン・カード分類検査
KWCST 慶應版ウィスコンシンカード分類検査
BADS 遂行機能障害症候群の行動評価(BADS)
S-PA 標準言語性対連合学習検査
RBMT リバーミード行動記憶検査

操作と処理が複雑で、検査及び結果処理に概ね1時間30分以上を要する医療保険点数
450点×10 = 4500円×(自己負担割合)
認知機能検査
その他の心理検査 DN-CAS 認知評価システム
新装版CARS 小児自閉症評定尺度
ITPA 言語学習能力診断検査
SLTA 標準失語症検査 SLTA-ST 標準失語症検査補助テスト
WAB 失語症検査
K-ABC 心理・教育アセスメントバッテリー          K-ABCⅡ
WMS-R ウエクスラー記憶検査
CAT・CAS 標準注意検査法・標準意欲評価法
VPTA 標準高次視知覚検査
SPTA 標準高次動作性検査
D.D.2000 老研版失語症検査
PARS-TR 親面接式自閉スペクトラム症評定尺度
ADAS-cog アルツハイマー病評価尺度
心理検査に関しては、こころ検定1級(メンタルケア心理専門士)のテキストである精神医科学緒論の全編にわたって概観しています。ご興味・ご関心がある方は、是非、勉強してみていただければと思います。