コラム

こんな時だからこその心理学・メンタルへルス Part3

  • コラム
  • 2020/05/07

現在、世界的に新型コロナウィルスによる感染症対策のため、緊急事態宣言と外出を含む様々な活動の自粛要請が発令されています。このような状況下において、まずはウィルス感染の防止や医療崩壊の防止が最重要課題ですが、同様にメンタルへルス対策も非常に重要な要素となっています。

今回は、このような状況下において重要となる心理学・メンタルへルスについてPart2に引き続き解説していきたいと思います。


病気に関する確率は少し複雑


「〇〇という感染症に罹る可能性は10%」と言われたら、「そんなに高い確率ではないんだな」と判断する人は多いかと思います。しかし、単に「罹る確率」だけでは、正確な確率を判断することはできません。


新型コロナウィルスの場合もそうですが、感染症などの病気については、検査によって陽性・陰性の判定をすることになります。ただ、このような検査による判定は100%確実なものではありません。つまり、検査の正確さに関する確率と、感染症そのものに関する確率の両方を計算に入れなければならないわけです。



たとえば、ある感染症に罹る確率が10%、そして、この感染症の検査で罹患している人が陽性と判定される確率が90%、逆に罹患していない人が陰性と判定される確率は80%であるとしましょう。Aさんがこの病気の検査で陽性判定を受けたとすると、以下のような少し複雑な計算をしなければ、本当の確率は分かりません。


■ 病気に罹患している確率:10%

■ 病気に罹患していない確率:90%

■ 実際に罹患している人が検査で陽性判定となる確率:90%

■ 実際に罹患していない人が検査で陰性判定となる確率:80%

■ 実際に罹患していない人が検査で陽性判定となる確率:100% - 80% = 20%

 
(0.1 × 0.9)÷[(0.1 × 0.9) + (0.9 × 0.2)]  = 0.333(33.3%)

 
つまり、Aさんがこの感染症に関する検査で陽性判定を受けたとしても、実際に罹患している可能性は33.3%ということになります。


新型コロナウィルスは新たな感染症であるため、感染確率や検査の判定の正確さも、まだ確定的な情報は少ないです。しかし、しっかりと科学的・論理的・数学的に「確率情報」を捉えることができないと、情報に踊らされるだけで、不必要な不安や恐怖を感じてしまうことになります。


今回、紹介したこの計算方法はベイズの定理と呼ばれるものであり、統計学において重要な理論として確立されています。まずは、数学的に考えるということが、感情に振り回されない基本となるわけです。


次回は「ストレスと意思決定の関係」について掲載いたします。
お楽しみに!