コラム

呼吸方法によっては、頭を冴えさせることができる Part9-1

2020.7.26

心理学の研究は一風変わった側面から物事を捉え、面白い結論を導き出しているものがあります。

心理学に関する研究は、私たち人間の“滑稽さ”や“上手く行かない歯がゆさ”についても、様々な角度から教えてくれます。

<呼吸方法によっては、頭を冴えさせることができる>

呼吸に関する心理学的研究は主に生理心理学の分野で実施されています。

最も分かり易いのは深呼吸がリラクゼーションに及ぼす影響です。

最適な深呼吸としては、鼻からゆっくり大きく息を吸い込み、口からゆっくり息を吐くというものです。

その際に、できるだけ腹式呼吸を意識して、お腹を動かすイメージで深く大きく呼吸をすると、より大きなリラクゼーション効果が得られるとされています。

深呼吸は副交感神経を優位にするので、休息や睡眠に近い状態になるわけです。

では、呼吸にはリラクゼーション以外にも、何らかの心理的な影響を及ぼすものなのでしょうか。

マルシア・E・ブーベルとデイヴィッド・S・シャンナホフ=クァルサ、マイケル・R・ボイルは主に鼻呼吸について、認知心理学的な観点から研究を実施しました。

マルシアらは、実験参加者にあえて片方の鼻の穴からだけ呼吸をさせるという条件を設定しました。

人間の鼻の穴は一定間隔で片方ずつ空気が通るようになっているという特徴があります。

これを利用した呼吸法により、その後の課題の効率や正答率が高まることが判明しました。

つまり、鼻による特別な呼吸をすることで、思考能力が高まることが明らかとなったのです。

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